量子イノベーション協創センターは、東京大学ビジョン2020に示された社会連携による学術成果の社会への還元の一つとして、これまで10年以上培ってきたナノ量子情報エレクトロニクス研究分野での産学官民協働を実践する組織です。本センターは、「東大企業ラボ」および「量子ドットラボ」から構成されています。また、本機構に関連研究分野を担うすぐれた人材の育成と成果普及を行うために、フォトニクス・イノベーション協創プログラムを企画・推進しています。
本センターでは、量子ドットラボと各企業ラボが緊密な連携の下で、半導体ナノ構造の結晶成長やプロセス技術、物性制御や共振器電気力学の物理の探究、ナノフォトニックデバイスや量子情報デバイス、さらには、光電子融合技術などについて、研究を進めています。特に、最近では、シリコンフォトニクスやレーザー加工など多様な展開が期待される高性能量子ドットレーザ、単一光子発生素子や量子ビット集積回路基盤技術、暗号通信技術、センサ用量子ドット遠赤外検出デバイス、および量子ドットディスプレイ開発が、重点研究テーマとなっています。
本センターは、ナノ量子技術を中核にしたイノベーションの創出に向けて、邁進する所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

量子イノベーション協創センター長
荒川 泰彦